2011-01-28 07:25:33 PST

転換点に差しかかるIntel CPUロードマップ

 開発コードネーム“Sandy Bridge”で知られる第2世代のCoreプロセッサの投入により、IntelのCPUロードマップが転換点に差しかかったようだ。Intelは、これまで同じ半導体プロセスルールを2世代のCPUで利用することを前提に、


    ・半導体プロセスの進化
    ・CPUマイクロアーキテクチャの進化


を、時計の振り子のチック、タックという動きのように繰り返す“Tick-Tockモデル”を採ってきた。これにより、Intelはプロセスが安定かつ成熟した時期に、新アーキテクチャを実装し、新プロセス移行期には、半導体設計のこなれたCPUアーキテクチャを採用することで、よりリスクが少ないかたちで半導体プロセスとCPUアーキテクチャの進化を進めてきたかっこうだ。しかし、CPUコアにグラフィックスコアを統合したSandy Bridge移行は、このTick-Tockモデルにも変化をもたらすことになりそうだ。





 Intelに近い、大手PCベンダー関係者によると、Intelは今後、プロセスの進化にあわせてグラフィックス機能の強化に乗り出す方針であると言う。その新しいTick-Tockモデルのスタートこそ、同社が2012年初頭に市場投入を計画しているIvy Bridgeだ。IntelはIvy BridgeでCPUアーキテクチャにはほとんど手を入れず、グラフィックスコアの強化に注力、コードネームSandy Bridgeで知られる第2世代Core i7/i5/i3に搭載したIntel HD Graphics 2000/3000をさらに強化し、DirectX 11に対応させる計画だ。Intelは、ごく一部のベンダーに対し、2016年までのCPUロードマップを開示しており、そこからは、


    ・CPUマイクロアーキテクチャの進化
    ・グラフィックスアーキテクチャの進化と、新プロセスの採用


を交互に行なう、もう一つのTick-Tockモデルを採用する意向が見て採れる。また、大手PCベンダー関係者は、同社の長期ロードマップでは、22nmプロセスを採用するIvy Bridgeだけでなく、CPUマイクロアーキテクチャが改良される“Huswell”や、15nmプロセスを採用すると見られる“Broadwell”でも、現行のCore i7/5/3ブランドを踏襲する計画になっていることを明かす。つまり、Broadwellまでは、NehalemベースのCPUマイクロアーキテクチャに機能追加が施される程度で、グラフィックス機能の強化が重要な役割を果たすことになるようだ。





 一方、Intelは高性能デスクトップCPUやサーバー・ワークステーション向けCPUでは、2011年末にLGA2011を採用する“Sandy Bridge-E”から、Ivy BridgeベースのハイエンドCPU“Ivy Bridge-E”への移行は約2年サイクルとされ、メインストリーム向けCPUが新アーキテクチャを採用するHuswellに移行しても、Sandy Bridgeアーキテクチャをベースにする“Ivy Bridge-E”で、AMDに対抗していく計画になっているとされる。これにより、Intelはメインストリーム市場向けのLGA1155だけでなく、パフォーマンス市場向けのLGA2011についても3〜4年のライフサイクルを実現しようと言うわけだ。その一方で、「Huswellマイクロアーキテクチャ世代の高性能デスクトップCPUはスキップされ、完全に新しいCPUアーキテクチャに生まれ変わる“Skylake”ベースのCPUに置き換えられる可能性もゼロではない」と指摘する。Slylakeは、当初、Intelが2015年にLarrabeeベースのグラフィックスコアを統合したCPUとして開発を進めていたものだが、Larrabee計画の軌道修正を受けたため、CPUコードネームそのものも変更された可能性もあると伝えられている。ただし、「IntelのCPUマイクロアーキテクチャの刷新は2015年以降で、それまではNehalemマイクロアーキテクチャの派生品という位置づけになりそうだ」と見ているようだ。

(text: 本間 文 Bun Honma)

 

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